鍼灸師の臨床ひとり語り

きぎす鍼灸院(富山県高岡市)

技術の言語化

体操の内村航平さんが言ってました

技術の言語化が大事だ というようなことを。

 

それを聞いたとき、ダルビッシュ選手も言ってたな

と思い出しました。

 

そして、上達のプロセスを研究している 岡本浩一さん も

その辺のことについて 同様に、緻密に言及されてます。

 

各々の技術の世界に浸り、道を究めんとされている方は、

言語化することで 曖昧な状態の 不安定な感覚的コツを

加工して自分の技能に定着させていく側面があるのだろう と推測します。

 

鍼灸の場合は、逆にそのようなトップランランナーの方々が記した感覚的コツが

たくさんあります。

鍼灸師って客観的に見ると、何をしてるのか判らないからだと思います。)

 

それを一般の鍼灸師が自分のモノにできるかどうかは、

その文字の奥行き、あるいは行間を 読めるかどうか です。

 

自分の臨床と照らし合わせて、

その経験の範囲内で 書いた人が言っていることの意味を知る

 

実感が伴わなければ 本当の意味を理解していなければ

読み飛ばしてしまう 自分に響かないのです。大事な部分であっても。

 

だから、東洋医学をやる鍼灸師は、

臨床を繰り返しながら、同じ本たちを 何度も何度も読むのです。

「わからんところがなくなるまで読め」

先人は言います。

 

 

実際はこんな感じです。

あ~ここにずっと書いてあったのに~ もっと早く気づきたかったなぁ~。

 

何となく一度読んで本棚にあった本が、

少し上達してから読むと、

え~この本ってこんなに良いこと書いてあったんだ、、。

それが判るってことは 自分もちったー上達してんだな

 

〇〇については あの先生は何て言ってたっけ?

□□先生はこう言ってるな 自分はこう思った、、、

 

こんな風に少しずつ階段を上っていくのです。

 

ほかの分野の人にも 参考になったらいいな

と思って書いてみました。

 

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接骨や整骨のほうがいい時

症状の発生って いろんな原因がある

それって当然で、

 

治療院も様々な種類があります

私がやっている鍼灸以外にも、

接骨、整骨、整体、カイロ、マッサージ、足つぼ、、、

それ以外となると 私にもわからないくらい。

 

今回お伝えしたいのは、

それぞれの治療法には 得意分野がある

こういうケースの時は、まず ”接骨or整骨” の治療院に行った方がいいハズ

って話です。

 

外傷性 とりわけ外からの衝撃や外圧 がキッカケで症状が発生した場合

骨があるべき場所に収まっていない 可能性があります。

 

痛みがなかなか引かない、

もうそろそろ勝手に治ってもいい頃だと思うんだけどなぁ

って症状。鍼灸は得意じゃない可能性があります。

 

非外傷性 つまり慢性的な経過を辿って骨がズレているなら

鍼灸は得意方面です。

エネルギーバランスが整っていくにつれて、

体内のパワーバランスも元に戻っていくこと これは期待できます。

診たことないですけど、後天的なタイプの脊椎の側弯とかでしょうか。

わかりやすく言えば、ですが。

 

しかし、自然治癒力で修正できない 外力によるズレ の場合

鍼灸だと いたずらに時間とお金を消費してしまう可能性があります。

あれ〜、、ツボはしっかりおさえてるハズなんだけどなぁ〜

ツボが動かないぞ〜、、、汗

と術者は内心思います。(私は思っちゃいました)

 

以前かじった知識で、

関節包内の骨と骨の距離を開いて、

外力による負荷と逆方向に、グッと瞬間的に片方の骨を押し込んでみたんです

ズレてるなら こっちに戻せばいいんだろう と。

つまり 整骨 っぽいこと 真似事 をしてみたんです(内緒です)

 

すると、、、

痛みがスグに 70%OFF ってくらい少なくなったんです。

その後の経過が非常に良くなった

 

外力を受けたことで発生した症状

交通事故系はもちろん みなさん 言われなくても接骨院

行かれると思いますが

 

もう少し地味な外力であっても

身体の使い方によっては それが原因で骨がズレちゃってる、、

なんてことが あるんだと思います。

 

接骨や整骨の先生って 骨の並びが正しいかどうか

触ってわかる、、んですねぇ。すごい。

 

つまり

何か動作をしたことで痛んだ疾患で

ズルズル痛みが変わらない時

まず 骨が正しい場所に収まっているか確認すべし

ってことですね。

 

ちなみに

私が診た骨のズレ だったであろう場所は

手首(手根骨と橈骨か尺骨) でした。

足首の捻挫でも 骨がズレることがあるって

聞いたことがあります。

 

と、そんな話をしましたが、

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腱鞘炎

自己治療シリーズです。

やっぱり患者役と治療者の役割を同時に行える自己治療

得るものが多いですね。

 

独自のメソッドで(調べてないだけ)

肩関節の可動域はある程度高めてあるので、

自分の背中に鍼を打つことが できちゃうのです。

、、、かなりマイナーな特技

 

という話は余談で

今回は腱鞘炎のような症状

自覚としては

 ・マウス使いすぎにより小指・薬指の力が入りにくい

 ・支正(小腸経)が重だるい

 ・尺側手根屈筋(陽谷、神門)がピリピリっと痛む。

 

  これ、このまま酷使してると

  背中まで張ってくるのを経験

  ちょうど左肝兪付近 どんどん存在感が増す

 

  そのうちに、今度は脛(すね)がピクピク。

  下巨虚(小腸経下合穴)のあたりにコリを感じ始める

 

治療なんですけど

酷使している現場(ウデ)から派生して

臓腑の自然治癒力が負けて

ドミノ倒し形式で

今度は足までその影響が波及している感じなので、

 

その張っている根っこを小さくしていくように

病が定着していく順序の逆をいくように、

足の治療と背中の治療 そして腕の治療

というような順序で、

もっていくといい結果になったイメージです。

 

今回、局所付近で良かったツボは 消濼(しょうれき) でした。

役職のない平社員のツボですけど

いい働きするなぁ と思いました。

 

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後頸部痛

70代女性 坐骨神経痛の発作

痛くて痛くて、何にも集中できない

家事もままならない ということでの相談だった

 

正直に言えばこれは当時の自分には難しかった症例

一時的にラクにすることはできても

中長期的な好転には至らなかった。

 

この発作は 何もしていなくても強い痛みがある

座っていればまだ少しラクだが、

立っていれば悪化する。

痛みをこらえるのがやっと。

 

こういう場合はブロック注射や手術が適応になってくるそう。

自分としてはもっと引き出しが必要だったなぁ、と思い返す。

 

ただ、この案件で収穫があったのは表題の件

坐骨神経痛と共に患っていた症状

持続的な右後頸部のコリ、痛み、違和感

これは取り去ることができた

 

 右照海に循環不良の反応が見て取れたので

 知熱灸で様子を見る 1壮、2壮、と据える毎に

 その反応が弱まっていく。

 初回は7壮据えると反応が消失

 2度目の施術で5壮。3度目は3壮、、、

 ツボ反応消失までの施灸数がどんどん少なくなる

 ツボが出なくなくなったころには、

 後頸部の違和感はなくなっていました

 

頸部の膀胱経の不調が足首の腎経のツボで治る。

東洋医学理論から見ても気持ちのいい治り方です。

こういう遠隔のツボは効きがいいですね。

沢田流で言えば太渓にあたるツボ。

流石の治効でした。

 

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covid-19

自分がコロナにかかった時

これはチャンス! と 自分で鍼でどうにかしてみようと自己治療

結論から言うと、施術後 急にケロッとよくなったんです。

具体的に言うと、身体の重さ、頭のボヤっとした感じが

スッ と去っていった感じ。

 

 専門的に言うと

 肺虚証で太淵と、商丘(土経金穴)だったか太白(土経土穴)だったか

 忘れましたが、いずれにしろ本治法でストーンと。

 陽経の処置は特にしていなかったと思います。

 

真夜中0時頃だったんですが、えっ?ラクになった・・!?

突然のことで ワクワクしてしまいました。

 

比較的初期のコロナだったのもあり、

結構しつこいなぁ~、、どうりで重症化する訳だ、、。

と 硬くなっている身体をヨガで和らげていた矢先でした。

 

以後、隔離中は普通に生活できていましたが、

体内でうっすらと戦いが続いていたのでしょう、

10日間の隔離を終えてもなお、

37度くらいの微熱が続いてました。

 

粘っこいウイルス、 私の中ではそんな印象でした。

後遺症で悩む方が多いのも納得です。

 

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両足の浮腫み

駆け出し鍼灸師の頃のお話

特養での90歳のおばあちゃんの鍼灸治療

 

足がむくんでパンパン 押すと凹む 戻るのが遅い

靴も履けなくなってきている

顔や腕は皮膚がたるんでいる 皮下の水分が余剰な感じ

 

 治療は右尺中が虚、心包虚証で取った。

 本治法は曲沢(相火経水穴)が多かったはず。

 太陵(相火経土穴)の時もあったかもしれない。

 座位での治療、服は着たまま。

 厥陰兪~督兪あたりの兪穴や

 下肢局所では陰陵泉 胃経の三里ラインも使ったか。

 

娘さんとも仲良く、気の良いおばあちゃん。

頭もシッカリしていて、不都合なのは自分で歩けないことくらい。

 

よーく喋って話し出したら止まらない。

施術が終わって部屋を出るタイミングが、、、、ない。

なかば強制的にシャットダウンで退出。

 

そんな調子で

毎日はり治療を行って、月イチの体調管理の際 看護師さんたちがびっくり。

なんと体重が4kg減

 

足の浮腫みが減っていくのは感じていましたが、

そんなに変わっていたとは。。

看護師さんたちは 何で?何で~?といった感じ。

改めてお姿を観てみると、以前より小柄になっている。。

 

鍼灸学校を出たばかりの頃でしたが、

東洋医学の鍼治療ってスゲー威力、、、

そんな確信を得た、在りし日の思い出でした。

 

しかもその鍼が 刺してない。。。接触鍼だったのです。

びっくりですよね。

 

ベッドから自分で立ち上がれるようになった、

という案件でした。

 

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